2026年3月閉館
AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)
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「身体を聴く場」 ボヴェ太郎
土曜日のワークショップ 「ストレッチ・エクササイズ」


アイホールさんとはご縁あって、様々な場で舞を上演する機会をいただいてまいりましたが、平行して2009年以来『ストレッチ・エクササイズ』と題したワークショップを長きに渡り開催いただき、本当に多くの方がご参加下さいました。
私が舞台で舞う前に行っておりますルーティンを、シンプルな形にまとめたワークショップでございますが、参加者の皆さまは床に寝ころんだ状態で、ゆっくりとご自身の身体に向き合いながら、深部筋肉や関節を丁寧に解きほぐしていただきます。私が動きのデモンストレーションを行った後、皆さまに実践していただくのですが、参加者の皆さまの身体にはそれぞれの歴史が刻まれており、またその日の体調によっても身体の状態は刻々と変わってまいります。ご自分の身体の状態を感じとり、違和感のある箇所をいたわりながら、無理せずにゆっくりとほぐしてゆくことが大切なのですが、私は呼吸と筋肉の連動をふまえたお声がけを意識しながら、皆さまにどの箇所をゆるめていったら良いかをお伝えするように、心がけておりました。

個々の動きはとてもゆっくりなため、皆さま無理なく行って下さいますが、日常生活では動かすことの無い、かなり深い部分が伸ばされることになります。皆さまの晴れやかで充実した表情に接することが出来ました時には、私も深い喜びを感じておりました。
基本的には一貫した内容でございましたが、はじめて参加される方と共に、継続的に、あるいは数年おきに顔を出して下さるような方も多く、中学生から人生の先輩方まで、様々な年代の方が、ご自分のペースでご自身の身体と向き合う場として、ご活用いただいて来たように感じております。
アイホールさんとのご縁から生まれたこのワークショップは、いたみ文化・スポーツ財団さんの事業として、来年度も引き続き開催されることになりました。
これからも皆さまと共に、身体と静かに向きあえる場を紡いでゆくことができればと、思いを新たにしております。

ボヴェ太郎
舞踊家・振付家。空間の〈ゆらぎ〉を知覚し、感応してゆく「聴く」身体をコンセプトに、歴史的建造物や庭園、美術館等、様々な空間で創作を行っている。アイホールでの上演作品に『implication』『Texture Regained ─記憶の肌理─』『消息の風景─能《杜若》─』『CONATUS』等がある。


