MECA-MUSHI
 
白石卓也の
昆虫再生
 
 
   
いたみホールにメカムシ発生!!

いたみホールのロビーを覗いてみると・・・ 虫、虫、虫・・・驚くほどの虫。
でも、虫嫌いの人も心配はいりません。 廃品でつくられたメカムシです。
実際にはうごめきません。
そのユニークな表情を、いたみホールへ観察しに来てください。
この夏は、かつてないメカムシ大発生の年です。

 
 
 
   【会場】
伊丹市立文化会館(いたみホール)1階エントランスホール
【開催期間】
平成12年8月19日(土曜日)〜8月27日(日曜日)
9時〜21時30分 *最終日は17時まで
 

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少し前、家がこんなに建て込んだり、自動車がこんなに多くない頃、身近に草原や池が会って、いろんな小動物を見かけました。そしてそれを捕まえて飼ったり、おもちゃにして遊びました。草原や池は私達の遊び場というより虫の棲息地だったのです。ブルドーザーが走り去りました。デコボコはなくなり、水たまりや草原がなくなりました。虫の生まれる場所がどんどん少なくなりました。それでも虫は結構いるものです。ゴキブリ、ハエやカ、セアカゴケグモというのも現れています。残念ですがこのような虫は、あまり人々には好まれていません。殺虫剤をかけられたり、ともすれば、新聞紙を丸めた棒で叩きのめされたりして、どうも私達の遊び相手ではないようです。クワガタやカブトムシ、トンボ、蝶の類は友達になれるのですが、街ではあまり見かけません。デパートにいるようですが、自由に追いかけたり、捕まえたりすることはできません。お金で買うことはできますが。
私は古いステレオを持っていました。20年以上使っていたのですが、音が出なくなり、修理もきかないということでした。そのまま捨てるのは何となくもったいないという気持ちから、分解してみたのです。中身をみるとそれはまるで原っぱのようです。色とりどりの部品が虫のように見えたのです。コンデンサーや抵抗の部品ひとつひとつがうごめいていたのです。この部品をひとつずつ分解し並べ替えて昆虫標本のようにしました。
私はバイクに乗って遊びます。ヘッドライトが点灯しなくなりました。電球が切れたのです。外してみると、ガラスの部分の焼けた色と形がクワガタの胴体に見えました。ツノはないかなと足元を見ると空缶が転がっており、そのプルトップがツノに見えたのです。こうなれば脚はどこかに落ちているはずだと、あたりを見回しますと、ガードレールに錆びた針金がひっかかっていました。プルトップの先を切り、針金を曲げてそれぞれを組み合わせると、何と立派なクワガタではありませんか。うれしくて面白くて、いくつも作りました。また違った虫も作りたくなり、思いつくまま色んなもので作ってみました。造形的には自由です。図鑑を見れば、本物の昆虫の大きさや色、形は驚くばかりです。実物に似ていなくても、それは唯一自分の虫なのです。
私の虫はメカムシと呼ばれています。ゴミから生まれたのでゴミムシだとか ガラクタの寄せ集めなのでガラクタムシとも呼ばれました。ガラスや金属、プラスチックのかけらを組み合わせ、何となく昆虫を想像させ、動き出すような雰囲気が出せれば最高。メカムシin the world!
(しらいしたくや)
 
 
 
主催;伊丹市・(財)伊丹市文化振興財団